不登校になる学生さんが最近増えています。特に中学生女子の場合は問題がとてもセンシティブなので、保護者や周りの人はどう接していけば良いか迷いますね。
今回は中学生女子の不登校になってしまうきっかけや理由について紹介します。
不登校になるきっかけ
家庭教師で実際に関わった人数は3人です。対面とオンラインの両方を経験しました。
不登校になるきっかけはみんなまちまちですが、それぞれのタイプについて紹介します。
感覚過敏と環境適応
遠方から引っ越してきて、1ヶ月のみ学校に通ったけれども不登校になってしまった。という子がいました。
中学に上がるタイミングでやってきたことや、それまでの小学校がかなり荒れていたところだったので、環境が変わったことに対応しにくい様子でした。地域性によって生徒集団の雰囲気も違ってきます。
加えて感覚過敏であったことや家庭内での父親との不仲から居場所がなくなっていた様子です。
また感覚過敏であること、そして居場所がなかったことが一番の理由かと思います。
今は元気に高校に通えているのでホッとしていますけどね。
人間関係のいざこざ
対等だと思える立場でのいざこざはかなりこたえます。
とある音楽活動をしていたその子はバンドを組んでいました。ただ、方向性の違いから自分の気持ちを通しすぎてしまったことがあるようです。
その結果、その出来事をきっかけに仲違いしてしまったようです。
けれども素直にメンバーにそれぞれ謝ったようなのですが、そこで断絶されてしまったようなので元通り戻るのは難しいと言われてしまったようです。
なんでこんなことしたんだろう・・・とかなり落ち込んでいましたし、消えてなくなりたくなる。ということも言っていたようです。オンラインなので場の雰囲気を感じ取ることは難しいのですが、自分がもう受け入れてもらえないということに辛くなったようです。
自分では学校でやりたいことがあるのにあの門をくぐることが難しい。という子は多くいますがまさにそうなっていました。
いじめ
学校、学年に何人かはいるいじめっ子。
彼女もまたターゲットにされてしまったようです。ちょっとした冗談を言っただけなのに冷静に返されて、変人扱いされてしまったのがことのきっかけのようです。
そこからいじめのターゲットにされてしまい、クラスのみんなにもからかわれるようになってしまい、学校に行けなくなってしまいました。
不登校になってからも心的なストレスが大きくたまに幻聴が聞こえるなど多々ありました。
これもきっかけはいじめですが、居場所がなくなってしまったことが原因になっています。
心が強くない子が増えると何かの流れに順応するようにみんな働きかけます。いじめが助長するのは精神的に弱い子が増えてきているようにも思います。
私の体験
不登校にはならなかったものの、学校に行きたくないは常々ありました。
「なんでそんなことで喧嘩するのか、なんでそんな噂話で盛り上がれるのか、テストの点数で一喜一憂しては自分より下の点数の人を見て喜べるのか・・・」
こんな気持ちがありました。
また大人に対しても、なんでそう言い切れるのか、この人自体に自分があるのか?、どうして高校に行かないといけないのか?なぜ生きるのか?
これに答えてくれる人がいないこと、また保健体育の教科書には哲学的な内容も入っていまいしたが、「それは自分で意味づけをしてあげる」という回答も不納得でした。
高校に上がってからも入学初日から「辞めたい」とずっと言っていました。
ずるい考えですが、「教室で長時間居座るのを避けるにはどうすれば良いか?」と考えた結果、考え方がとても古い学校だったのでテストの成績を上げてみました。
そこで保健室を利用しようと考えました。成績がある程度優秀であれば保健室の利用も多めに見てくれるだろうと。週に1回ぐらいの頻度で高校3年からは利用してましたね。お腹が痛いと言って笑
共通点は「居場所」
居場所とは二つの意味を込めています。
- 身体的な安全が確保できる「居場所」
- 精神的な安全が確保できる「居場所」
不登校って一言に括っていますが、多分身体的な安全が確保できない方はかなり表面化しにくいものだと思います。例えば、家庭内で暴力を受けている、虐待をされている、ご飯をまともに出してもらえないなど・・・
毎回同じ服を着てくる子がいるとしたら教員として勘付いてもなかなか対応が難しいところです。その子自身が気にならないのであれば構わないのですが。
また上記の例で挙げたものが全て精神的な「居場所」の問題です。
女子中学生で不登校になるきっかけは、人間関係が大半を占めているように思います。
学校に行きたくなくなるきっかけはもっと潜在的なところにあるのです。
特にこの年頃の子は他人との差異に敏感です。何かの捉え方が少しズレただけでも敏感に察知します。例えば流行りのキャラクターが「かわいい」という共通認識を持っているグループの中に、「そんなにかわいくない」と思う子が増えると、グループから弾かれます。
子供の精神的な発達をすると、ざっくりとすると昭和までの流れは、
ギャンググループ→チャムグループ
という進化がありました。まずギャンググループは、喧嘩なり正面衝突する、自分の意見と相手がぶつかり合う。衝突は起きるけれども雨降って地固まるということから、そのあとは友好関係を築きます。
その後にチャムグループ、要するに察しがつく、同調的なグループに進化するということです。
最近の子供達の傾向としてはギャンググループの体験なしにチャムグループに移行してしまっているということです。つまりお互いのことをよくわかりもしないのに同調することに重きを置いてしまっているのです。
不登校になった後の流れと保護者ができること
不登校になったあとは、保護者や周りの人ができることは色々とあります。
- フリースクールの検討
- オンラインでの家庭教師などの検討
- 家での活動
- 先生に登校日数と内申点の相談
- 言語聴覚士の検討
不登校になると腹痛や頭痛といった軽度の体調不良から二次障害として不眠症、統合失調症、起立性障害など起きる可能性があります。
自立した生活を営んでほしいというのが保護者さんの願いであると捉えますが、一度不登校になってしまった場合、急かすことがないようそこだけは徹底した注意が必要です。要は「待ち」の姿勢がとても長いんです。
どのくらい長いのか?と言われると・・・1年半〜以上かかると考えられます。上記の例で言いますとみんな中学に復帰はしていません。ですが、フリースクールに通ったり、高校に向けて準備を進めるといったように次の環境や目標に向けて頑張っていました。
利用できるサービス
どれも無料の体験期間があるのでそちらでお試し利用をしてみても良いでしょう。ただ、不登校のお子さんは疲れやすい傾向にあるので何日か感覚を空けながら体験利用してみるのが良いと思います。
どうしても今いる学校に戻ってほしいというのであれば、一度こちらの体験もしてみるといいでしょう。

よく調べてみると実は発達障害であった。というケースもあります。とはいえ発達障害への深い理解と根気よく見てくれるお医者さんばかりとは限りません。小学生で発達障害と診断された子が薬を常用していましたが、とても辛そうでした。肯定も否定もしませんが、もし今の対処に不安や疑問を持っている場合も言語聴覚士を探してみることをおすすめします。
また勉強の方法はたくさんあるのでオンライン家庭教師であればこちら、

出席日数を補填できるようなEラーニングをお探しならこちらなどがおすすめです。
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私がやってきた提案
私が個人的にやってみたら良いのでは?と思うことを考えます。
- 料理
- 洗濯
- 掃除
- 趣味に没頭
- 資格試験を受けてみる
- 将来について考えるノートをつける
継続的にやってもらうにはフィードバックが必要なのですね。学校の先生や他の誰かにこれを報告して承認される流れがないとスムーズには行きません。多分三日坊主で辞めてしまうでしょう。
特に家事全般においてはやってくれて当たり前とという意識が見えるとやる気がなくなりますよね。子供は特にそうです。なので具体的なポイント、小さな気配りの点が見えたら具体的に褒めるアクションをした方が良いでしょう。
毎日時間がない親御さんもいると思いますが、交換ノートをつけるのも良いでしょうね。
嫌と言われればそれまでなので、なるべくアナログの連絡手段、手紙のやり取りなどをしたら良いと思います。そこには日々の出来事や今後に向けてのことを書き連ねます。
将来のことを話し合っても良いし、そこに通づるために資格試験を受けても良いでしょう。
重要なのは本人が意思決定したことで進めることです。
「勉強してくれない」と嘆く親御さんは多いですが、「勉強しなさい!」と言われると自分での意思決定がないのでやらないものです。
自分で意思決定したことに全力で承認することがこの期間は特に重要となるでしょう。
あまりにも危ない橋だと感じた場合は、メリットとデメリットの両方を提示してそれでも本人に決定させることでしょう。まず否定しないことです。
忍耐力が問われる「待ち」の姿勢
仕事をテキパキこなす方、要するに仕事をきちっと効率よくできる方は多分これが難しいと思います。「なんで、ちょっとやってみればいいだけじゃん!」がなかなかできないのです。
それを理解することはこれまでの経験を否定するようでかなり保護者さん自身も体力を使うと思いますね。
フリースクールを運営されている人に話を伺っても、受験予備校や進学塾さんに伺っても、不登校の子が立ち上がるまで、生徒さんの成績が上がるまで・・・親御さんができることは「待ち」の姿勢なのです。
歯痒いかもしれません。
できることとしては環境を用意できるかどうかです。フリースクールも費用がかかるのでそこの工面が難しい場合はまた検討し直す必要があるでしょう。

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