なぜ苦手になるのか?
ほとんどの方が、数学は積み重ねが重要な学問であることを知らないことがあります。特に保護者さんに多いのは、「まだ数学の点数上がらないんですか!?」とかなり急激な成果アップを期待される方です。
単純計算をしますと、例えば分数が苦手な中学2年生の子。定期テストの平均は40点程度。となると、テストの比重として60点分が基礎・残り40点分が応用問題となるわけです。
ケアレスミスが10点あるなら50点程度にはすぐなりますが、残りの部分は応用問題が大部分を占めています。この応用問題の難易度は学校別に異なりますが、偏差値55以上の中学を例に挙げますと・・・
応用問題を解き切るために必要なスキル
- 分数、小数、対比を相互計算できるか
- 読解力があるか
- ロジック思考があるか
といった、計算のテクニックに加えて読解力や理論思考といったスキルも必要となってきます。
ただ文章問題や応用問題を解きまくれば成績は上がる!というものではありません。難しいですね。
つまりは平均40点程度の数学の点数を80点以上に引き上げるとなると、ここまでの取りこぼしを補いながら、現状授業で進んでいる内容をプラスアルファで実施し続けないといけないということです。
なのでかなり量的にも大変なんですね。
こうして積み重ねが重要な数学の分野は、基本的な計算に加えて応用計算、そして文章読解と論理的思考による解き方のスキルが必要となってきます。
この積み重ねがないままに現状にきてるということは、取りこぼしの部分に蓋をしてここまできているので苦手にもなります。
つまりは苦手な意識が時間経過するごとに雪だるま式で大きくなっていってしまうという流れです。
自分のタイプを知ろう!
具体的な解決策を提示する前に現状の学習スタイルが合っているか確認をとっていきます。
- 集団の方が安心するタイプ?兄弟は3人以上?
- 1人で黙々やりたいタイプ?
- 競争やゲームで勝つことが喜び?
- ADHD診断で多く当てはまる?あるいは片付けが得意ではない
- HSPの傾向はある?
- 自分で自律学習できる?つまり計画から実施、フィードバックまで
- ルール通り、決まり通りにやれてると安心する
どれか当てはまるものありましたか?
選んだ番号ごとに次の見出しで解説していきます。
勉強方法を確立させよう!
勉強方法を確立するためにもまずは学習スタイルを決定する必要があります。先ほどのタイプ診断では何が知りたかったかというと、
- 対面集団塾
- 対面個別指導塾
- 対面家庭教師
- オンライン家庭教師
- 通信教材・学習アプリ
のどれが合うかを決定するためです。併用ももちろん可能です。
例えば競争や勝ち負けのゲームが好きな子であれば集団塾の方が向いています。集団の中で自分の立ち位置がわかり、常に上昇志向でゲーム感覚で進めたい方だと思います。
逆に堅実な子であれば、つまりルールや決まりがあると安心するタイプであれば自分がどこに向かえばよいか、モデルケースがあると安心します。いくつか年の離れた先輩が同じ空間にいるような対面個別指導塾などが向いているように思います。
また1人で黙々やりたい、ある程度自律学習のスタイルが取れているタイプであれば基本は通信学習教材・学習アプリ、必要に応じてオンライン家庭教師が向いているでしょう。
HSPタイプの子であれば先ほどの方法と基本は同じですが、緊張しやすいタイプであれば対面家庭教師が良いかと思います。
そしてADHDのタイプであれば、判断が難しいところですが、対面を選ぶようにすると良いでしょう。ADHDタイプでも目の前のことだけに集中することは得意なこともあります。その場合は対面個別指導塾や集団塾を選んでください。
定期テストが平均以下で基礎力があまりない・部屋もちらかっている・塾は合わなかったという場合は対面の家庭教師をお勧めします。
どうしてもオンラインでないと都合が悪い場合はこちらも利用してみてください。
現状のレベルを知ろう!
塾によっては無料で学力診断テストを受けることもできます。
ただし、勧誘や保護者説明会が必ずセットで来るのであまり入会意思がないのであれば説明会を聞く時間やとられる手間が勿体無いので、数千円程度で受けられる全国学力診断テストなどをお勧めします。
対面の塾などであれば初めに入塾テストなどが受けられるので、上記で対面学習が合う人であれば無料体験をしてみると良いでしょう。
また、完全に自律学習かつ独学のスタイルで進めたいという方には以下のような手順のPDCAサイクルを用意しました。
独学での現状レベル把握手順
- まずは問題集を購入し、直近の授業内容のページにマーク・付箋
- 付箋を貼ったところまで解く→赤で丸つけ、間違えたところを付箋 ※解説はひとまず飛ばす
- 付箋を貼ったところまでひたすら解いて丸つけ
- できたら間違えた付箋が最もあるところの分野を見る
- 付箋の多い分野を1位から順にランキング化させる
- ランキングは優先的に取り組むべき且つ自分の苦手分野である
- 学習アプリや問題集でその苦手分野特化のものを探す
- 用意したアプリや問題集を徹底的にやりこむ
総復習問題が診断テストがわりになる
HSP気質、あるいはアスペルガーの傾向があると問題集の中身も要チェックです。色についても多色刷りは疲れることがあるので。ポイントとしては適度な余白と多くとも黒ともう一色の2色刷りまでと基準を設けてください。
私が会ったことある人は白黒でないと無理!と言っていました。もちろんその人によりけりです。
セルフマネジメントには手帳はマスト
また独学のスタイルをとる場合は、PDCAサイクルが非常に重要です。さらにマルチタスクにならないように複数の教科を同時進行で学習する場合には計画性が肝となってきます。
こちらのような手帳を活用することをお勧めします。
タブレット端末をお持ちでしたら、アナログ手帳が嫌だという場合はタスクTODO管理ができるTrelloやGoogleのTODOリストなどを利用することをお勧めします。
書く動作が欲しい方はPlannerという手帳アプリもお勧めです。
ただ、学習の軌跡は残したいのであくまでタスク管理は日々のやることをまとめる程度にとどめてみてください。
Notionも良いのですが、多機能すぎて活用することに注力すると本来の目的が薄れるのであまりお勧めしません。
計画を立てたら優先順位上位から学習トライ
もう一冊学習用に問題集を購入します。
計算でつまづきが見られた場合はこちらがお勧めです。全学年対象ですし、高校まで活用できます。
あとはチャート式などで授業分野ごとの苦手を潰します。
解ける問題が最初の付箋をつけた8割を超えたあたりで、もう一度診断向けの問題集を解いてみます。最初の診断向けの問題集は書き込まない。ここで2回目の時直しをするので。
解説を読みとばすor読まない理由としては、診断用に活用する前提なので逆に答えを覚えてしまうと2回目の実力把握がしにくいためです。もう一冊買えば良い話ではありますね。
セルフマネジメントがめんどくさそうだなと思ったら・・・
自分でこのような管理が面倒だと思ったら通信教材や学習管理アプリを使うことをお勧めします。マネジメント管理が一番手間なので安く利用できるものは活用すると便利です。
Z会中学生向けコースの資料を請求された方に、『中学からの正しい学習法』冊子を差し上げます。
苦手な分野に取り組むことは心理的ハードルも上がるので、無意識的に避ける傾向もあり得るかもしれません。
そういった行動傾向を減らすためにもアプリで広告の如く「次に取り組むのはこれ!」と出てくれた方がいいでしょうね。そしてインプット学習では実力にならないのが数学の特徴なので、アウトプットが必ずあるような学習アプリを活用するようにしましょう。
スタサプ
あるいはオンライン家庭教師で単発利用が可能なところを選ぶなどですね。
まとめ
実はお子さんの性格や習慣、行動スタイルによって学習環境も大きく異なります。
考え出すと手間なので学習サービスを適宜利用するのが良いですね。
数学が苦手だと感じた場合すぐにでも取り掛かることが苦手を取り消すことの一歩です。
自分で対処しにくければ早めの相談を!
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