ヌンタコブログのヌンタコです。
「なぜ勉強しないといけないの?」このように子供に聞かれたことはないでしょうか。
私は仕事柄よくあります。
一言に言えば漠然と「将来のため」となりますが、サクッと言うならば「複雑になった現代社会を自分らしく生き抜いていくため、また資本主義にシフトしたから」と端的に伝えます。
けれどもこの答えは十人十色です。他にどんな伝え方があるか紹介していきます。
「なぜ勉強した方がいいか?」:社会主義ならしなくてOK?
もし社会主義、あるいは一党独裁政治下での平等性が保障されるのであれば知恵と知識を身につけるための勉強は必要でしょうか。
みんなと良くも悪くも平等であれば良いという考えならば勉強する必要はないかも知れません。全くの無欲で、他の人と同じものを着て同じことをして同じ食事をして・・・
これに違和感もなく、ただ上の人の言うことにYES!と常に答えられるのであれば必要はないでしょう。
と私なら思ってしまいます。
本当にそれでいいという人が大半であれば独立運動は世界各地で起こっていないはずです。皆自由にそして、自分の人権を尊重したいから国の方針に反旗を翻すのです。
なので支配体制下の生活を望んでいる人が多くないということは前提として知っておいてほしい。
そして主体性が少しでもあるならば、この後の紹介で必要と思うことになるかも?
「なぜ勉強した方がいいか?」:小学生にはどう伝える?
難しいところです。特に小学校低学年であればなぜ?に答えるのが難しいです。
ここは低学年と高学年で対応を分けるとします。
低学年の場合
なるべく身近な事柄と絡めて伝えます。例えば算数であればお金の計算や時間の計算が出てくるでしょう。その場合は、
- 「友達と公園でこの時間に約束して、自分が時計が読めないから待ち合わせに遅れることが何回もあったら、友達どう思うかな?」とか。
- 「お菓子を三百円まで買ってきていいよ。(といいつつ二百円渡してみる)」→わからずに買えるものだけ買ってくるか、怒って帰ってくるか。その反応を見てみる。あとで一緒に電卓叩いて確認する。
あと一緒に料理をしてみるといいです。
生活の一部になっていると考えると子供も必要なんだ!と思ってくれることも多い。
ただ十人十色なのでトライアンドエラーなコミュニケーションを。
そして低学年向けのリッカ・パッカラさんの算数の問題集は面白いなあと思う。こうした身近な生活の知識も踏まえた算数を用意してくれている。
高学年の場合
高学年の社会では公民的な内容が入ってきます。
なので自分が社会的に不都合な状態になった時どう思うか?を聞いてみます。
- 「例えばお父さんやお母さんが全くお仕事をすることができなくなった場合に、どんな困ったことがあるかな?」
- 「自分が描いた絵をもしクラスの子がインスタとかSNSに【自分の絵】として投稿してたらどうしよう?」
などまたこれも身近な話題から掘り下げていくようにします。
自分の権利を守るものがあると言うことを知ってもらうためです。そこから、
「もしAがなければBできないだろう」思考で必要な学習を考えてもらいます。
「なぜ勉強した方がいいのか?」:中高生に伝える場合
小学校高学年で自分以外の人の動きも見えてきたり、多感な時期に突入します。
この期間に「なぜ勉強するの?」と聞かれたら下記のどれかにフォーカスして話し合ってみます。
- 進路選択の幅
- 騙すやつはいるから騙されないために
- 学歴はいざとなったときの保険、でも保険にならないフィールドも存在します
- ストレス耐性の話
騙すやつはいる・・・ 牛嶋くんの漫画は青年漫画ですが、まさにこのストーリーが物語っています。特に数字に弱い、ストレス耐性がない、所属欲求が強すぎると本当に騙されやすくなります。それをよく伝えています。もし勉強について聞かれたらネガティブなサイドから私は会話していきます。
ポジティブイメージは学校や保護者から既に聞いているという前提なのです。大抵子供なりに

「それは詭弁でしょ?」
と思うから私に聞いてくるので。ではちょっとここで文章の意図がわかるかクイズです。
なので、商品自体が大したことなくてもこのキャッチコピーに踊らされて買う人が多いとすると・・・あなたはそうなりたい? と聞きます。読解力やクリティカル・シンキングが大事。と説きます。
これで国語の勉強が大事と言うことは伝わります。
でも確かに、その子の進路に対して不要な学習内容というものもあります。
なのでその場合は進路についてじっくり考える期間や課題を出すようにします。
結局自分で決定しないと人は動かないと言うことです。
あとストレス耐性の話で言うと・・・これは話が長くなるので別の記事で紹介します。ですが、大人になってからのストレス耐性の度合いが決まるのは11〜14歳の期間と言われています。とはいえ、勉強のストレスが必ずしもいいストレスになるかはやり方次第なのでグレーな回答ですね。
勉強する理由、子供に伝える重要なこと まとめ
ちなみに24時間学びの時間ととらえるフィンランドはどんな様子?
ちなみにフィンランドでは、教育過程が小学校から中学から9年間を一貫しています。希望すればもう1年滞在して10年間いられる。その後の高等学校の普通科は3年だけど、学年という概念はなく、選択教科の単位を満たしていくこととなる。
ここで抜かされた、留年した・・・とか無駄な不安や見栄やプライドが働かないのがいいところだと思ってます。
また学校教員は教育改革によって教育内容が地方に移譲されたことでより自由度の高い授業を創意工夫できるようになった。日本は教育費用を減らしたので、本当に悲しい。
しかもフィンランドでは学校に関わる通学費用や学費は全て無料で、高校まではカフェのランチ代まで補助が出るという、かなり手厚い。こんな待遇を知ると余計に悲しくなりますが・・・汗
ただ、フィンランドでは大学進学において高卒認定試験は4科目受験が必須で1科目は6時間にも及ぶと言うことでかなりハードルが高い。ちなみに高校の内申点は先ほどの試験に加点することで、受験者数が多い場合はそこで足切りとなる。
もっと言えば大学の入学試験まではアルバイトと勉強を掛け持ちで、1年ほどじっくり自分の将来の方向性を見極める期間を経験する。
無駄に試験のない大学を量産している日本とは大きな違いが見えてきた。公費で全て賄うところも「子供中心の教育」と言うに相応しいと思う。
子供の「なぜ?」に答えられない・一緒に考えない→勉強したがらない
そして勉強など学びと実生活との結びつきを小学校低学年のうちから伝える重要性は以下の内容のメリットを考慮すると、なぜ勉強するのか?を実体験を通して考えることは重要と言えそうです。
ジャン・ピアジェは6歳から10歳の子供が数学について理解するには実体験が不可欠ということ、そして11歳から13歳になって初めて数字と文章で算数の問題が理解できるようになると述べた。 スイスの心理学者、ジャン・ピアジェ 発達段階の研究に精通している
「やりなさい!」というと勉強はしません。多分親が「ゲームやりなさい!」としつこく言うとやらなくなると思います。理由は自分に決定権がないからです。
なので自分なりの考えをまとめた上で学習、勉強をするという過程が重要なのです。
自分なりの理由、納得解を導くための逆質問が保護者には求められそうですね。
フィンランドの教育力 なぜ、PISAで学力世界一になったのか (学研新書)
「人間味がない!!」